株式会社REPRESENT

ブログ

大阪のAI業務改善・導入支援ブログ社内FAQの作り方|同じ質問を繰り返さない、AI活用前の情報整理

ブログ

公開日

社内FAQの作り方|同じ質問を繰り返さない、AI活用前の情報整理

「その資料は、どこにありますか?」

「この申請は、誰に確認すればよいですか?」

社内に手順書や案内資料があっても、同じ質問が特定の担当者へ集まることがあります。

資料があることと、質問に合う情報を見つけられることは別です。
探す言葉が合わない、最新版が分からない、通常の手順と例外が混ざっている。
そんな状態では、担当者へ聞く方が早いと感じるかもしれません。

社内FAQは、よくある質問に回答し、必要な資料や相談先へ案内するための入口です。
質問・回答・根拠資料をセットにし、使える条件と更新方法まで決めることが大切です。

この記事では、社内FAQを小さく作る手順と、AI検索で活用する前に整理したい項目を紹介します。
記入式テンプレートと公開前チェック表も用意しました。

社内FAQと業務手順書は、役割を分ける

業務手順書は、一つの仕事を順番に進めるための資料です。
社内FAQは、疑問に応じて必要な答えや参照先へたどり着くための資料です。

例えば、申請の手順書には、準備から入力、確認、提出までを書きます。
FAQでは「申請フォームはどこ?」「期限を過ぎたら誰へ相談する?」など、実際に出てくる質問を入口にします。

すべての手順をFAQへコピーすると、手順書とFAQの両方を更新する負担が生まれます。
短い回答に、根拠となる手順書の該当箇所を添える形も考えられます。

前回の社内に残す業務手順書の作り方では、作業の進め方と引き継ぎを扱いました。
今回は、そうした資料を質問から探しやすくする方法に絞ります。

1.繰り返される質問を、一つの業務から集める

最初から全部門の質問をまとめる必要はありません。
よく聞かれる一つの業務を選び、その範囲で質問を集めます。

資料の保管場所、社内申請の案内、定型的な社内連絡などが候補になります。
対象の範囲と利用する人を決めてください。

質問は、実際の問い合わせや、担当者が説明している内容から集めます。
記録を扱う場合は、社内の情報管理ルールに従い、個人の事情や不要な情報をFAQへ持ち込まないようにします。

集める項目確認すること
質問の言葉利用者がどんな言い方で尋ねているか
対象業務・利用者どの仕事で、誰が困っているか
既存の回答今は何を案内しているか
根拠資料回答を確かめられる資料があるか
繰り返しの状況同じ質問か、似ているが条件の違う質問か

件数を記録していない場合は、「よく聞かれる」という実感を実測値に置き換えず、
担当者からの候補として扱います。

質問の表現が似ていても、対象部門や申請の種類が違えば回答も変わることがあります。
言葉だけでまとめず、条件を確かめましょう。

2.質問・回答・根拠資料をセットにする

FAQの回答は、短く書くだけでは不十分です。
何に基づく回答で、どの条件に使えるかが分かるようにします。

基本の形は、次の通りです。

質問:利用者が知りたいこと

回答:まず何をすればよいか

適用条件:どの業務・利用者・状況に当てはまるか

根拠:資料名、参照先、該当箇所

例外・相談先:回答だけで判断できない場合の案内

一つの項目で複数の疑問へ答えようとすると、必要な情報を探しにくくなります。
「資料はどこか」と「編集してよいか」は分けた方が、回答と権限の違いを示しやすくなります。

架空のFAQ作成例

以下は架空の会社の例です。実在する社内規程や導入実績ではありません。

項目記載例
質問月次報告の記入用ファイルはどこにありますか?
回答社内ポータルの「月次報告」ページから、指定されている現行版を開いてください。過去の添付ファイルをそのまま使わず、対象月を確認してください。
適用条件指定部門の月次報告を作成する担当者
根拠資料「月次報告の作成手順」の「記入用ファイル」欄。実際のFAQでは参照先と版を記載
例外・相談先ページを開けない、対象月が見当たらない場合は資料管理担当へ確認

ここではFAQが根拠資料への入口になっています。
利用者は答えを見るだけでなく、必要に応じて元の説明を確認できます。

資料がない、担当者の説明が食い違う、最新版が不明。
そんな項目は回答を確定させず、確認中として管理担当へ回します。

3.通常の回答と、個別判断が必要な例外を分ける

FAQは、質問に対する承認や判断を自動で与えるものではありません。

例えば「提出期限を過ぎたらどうする?」という質問へ、
過去の一件だけを根拠に「そのまま提出すればよい」と書くと、別の状況にも同じ判断が使われるかもしれません。

共通で案内できる手順と、責任者が個別に判断する内容を分けましょう。

質問の種類FAQでの扱い
資料の場所や通常の手順確認済みの回答と参照先を案内する
利用条件によって変わる質問適用条件を明記し、条件ごとの案内を分ける
個別の承認や例外判断が必要共通の相談手順と相談先を案内し、結論を決めつけない
根拠を確認できない質問回答を確定せず、確認中として管理する

過去の対応履歴も参考になりますが、それが現在の共通ルールとは限りません。
「過去に行った対応」と「現在承認されている手順」を区別してください。

個別相談の内容を詳しくFAQへ載せる代わりに、相談時に必要な情報だけを整理する方法もあります。

4.更新担当・確認日・閲覧範囲を決める

FAQを作っても、古い回答が残れば、確認ややり直しの原因になります。

各項目に、管理担当、回答の確認者、確認日、根拠資料の版や更新状況を残します。
掲載した日と、内容を確認した日は分けて考えてください。

FAQを編集する人が内容を決められるとは限りません。
規程や業務の管理担当が回答を確認し、その後にFAQへ反映する流れを決めます。

根拠資料が変わったとき、担当者が異動したとき、同じ質問が再び増えたときは見直しのきっかけになります。
次に確認する時期も、業務の変更頻度に合わせて設定しましょう。

閲覧できる人も決めてください。全社員向けの案内、部門限定の情報、
個別案件の記録を同じ公開範囲にしないようにします。
元資料を見られない利用者へ、その内容をFAQの回答として見せてよいかも確認します。

古い項目は、現行版から外す、参照用の旧版へ移すなど、通常の検索と混ざらない扱いにします。
状態を「下書き」「確認中」「利用可」「旧版・停止」に分ける方法もあります。

社内FAQの記入式テンプレート

質問一つにつき、次の項目を埋めてみてください。

項目記入欄
FAQのID・分類
質問
同じ意味の言い方・検索に使う言葉
短い回答・最初に行うこと
適用条件・対象外
根拠資料・参照先・該当箇所・版
例外と相談先
閲覧できる利用者
管理担当・回答の確認者
内容の確認日・次の見直し
状態・変更履歴

同じ意味の言い方を添えると、利用者の言葉と資料の名称が違う場合にも見つけやすくなります。
ただし、部署ごとに意味の違う略語は、同じものとしてまとめないようにします。

まずは少数の項目で、利用者が回答と根拠へたどり着けるかを確かめてください。
件数を増やすことより、回答の条件と管理方法をそろえることを優先します。

5.FAQを整えてから、AI検索で試す範囲を選ぶ

AIで社内情報を探せる環境を検討する場合も、最初に答えの根拠と使える範囲を整理します。

資料を登録すれば、すべての質問へ正しく答えられるとは限りません。
構成によっては、質問に関係する資料を探し、その内容をもとに回答候補を作ります。
参照先、資料の更新状況、適用条件を確認する必要があります。

最初は、一つの分類の「利用可」と確認済みのFAQなど、試す範囲を絞ります。
AI環境へ渡せる情報か、外部サービスへの送信が認められるか、誰が検索するかも先に決めてください。

検索の試行では、次のような質問を用意できます。

試す質問確かめること
FAQと同じ表現の質問対応する回答と根拠資料を示せるか
同じ意味の別表現言い方が変わっても適切な情報へ案内できるか
似ているが条件が違う質問別部門や対象外の回答を混ぜていないか
個別判断が必要な質問結論を決めず、相談先へ案内できるか
FAQに答えがない質問根拠のない回答を補わず、不明として扱えるか

社内情報の閲覧制限は、「回答に出さないで」という指示だけに頼りません。
検索対象や利用者の権限に制限を適用できる構成を選び、権限の異なる利用者で確認します。
権限の対象外の文書名や内容が回答・参照先へ出ないかも見ます。

確認中や旧版の項目を検索対象から外したつもりでも、登録済みの情報が残る場合があります。
更新・削除した内容が検索へ反映される手順も確認してください。

AI検索を導入する前に、通常のFAQ一覧や社内検索で改善できる部分を試す方法もあります。
どの方法でも、利用者が正しい情報へたどり着けるかを確かめることが大切です。

社内公開前のチェック表

この表の「公開」は、自社の利用者へ共有することを指します。
社内FAQをインターネットへ公開する前提ではありません。

確認項目結果・修正すること
実際の質問と、対象業務が対応しているか
一つの質問に対して回答が明確か
適用条件と対象外が分かるか
根拠資料を確認し、最新版と照合したか
個別判断を共通ルールとして書いていないか
管理担当と回答の確認者が決まっているか
確認日と見直しのきっかけが分かるか
閲覧範囲が資料の扱いと合っているか
利用者が回答・根拠・相談先へたどり着けるか
旧版や確認中の回答を、現行の案内と混ぜていないか

結果は「確認済み」「要修正」「未確認」を分けて残します。
判断が必要な項目は、空欄を問題なしと扱わず、確認担当へ戻します。

公開後も、見つからなかった質問、回答が分かりにくかった箇所、
資料の更新漏れを集め、FAQを直していきましょう。

まず、繰り返される質問を一つ整理する

社内FAQを使える形にするには、質問と短い回答に加え、根拠資料、
適用条件、例外、更新担当、閲覧範囲までそろえることが大切です。

今日の最初の一歩は、よく聞かれる質問を一つ選び、テンプレートを埋めることです。
回答の根拠を示せない項目があれば、そこから確認を始めてみてください。

株式会社REPRESENTでは、社内に散らばる記録や資料の整理から、検索・AI環境、業務別テンプレート、
利用ルールや更新方法の整備まで支援しています。

「同じ説明を何度もしている」「必要な資料を毎回探している」。
その質問と、現在残っている資料をお聞かせください。

社内ナレッジAI構築・運用支援について相談する

関連記事

次の一歩

あわせて見られているページ

ご相談・お問い合わせ

まずは、時間がかかっている
仕事を一つお聞かせください。

AIで業務効率化

AIを使うべきか決まっていない段階でもご相談いただけます。現在の進め方を伺い、改善の優先順位を整理します。

AI導入・Web制作 LINEで無料相談