profit-and-loss-statement損益計算書(Profit and Loss Statement)作成ガイド:基本から実践まで

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2025.1.28

損益計算書(Profit and Loss Statement)作成ガイド:基本から実践まで

損益計算書(PL)は、企業の一定期間における収益、費用、
および利益を記録する重要な財務諸表です。
この書類は、企業の経営状況を把握し、意思決定に役立つ情報を提供します。

本記事では、損益計算書の基本的な構成要素、作成手順、具体的な記載方法、活用例、
メリットと課題について解説します。

損益計算書の基本構造

損益計算書は、収益から費用を差し引き、最終的な利益(または損失)を計算します。
以下がその基本的な構造です。

売上高

企業が提供する商品やサービスから得た総収益。

売上原価

製品やサービスの提供に直接関連する費用(原材料費、製造コストなど)。

売上総利益

売上高から売上原価を差し引いた利益。
計算式:売上総利益 = 売上高 – 売上原価

営業利益

企業の主たる営業活動から得られる利益。
計算式:営業利益 = 売上総利益 – 販売費および一般管理費(販管費)

経常利益

営業利益に加え、金融収支やその他の経常的な収益と費用を含めた利益。

税引前当期純利益

経常利益に特別利益や特別損失を加えたもの。

当期純利益

税金を差し引いた最終的な利益。
計算式:当期純利益 = 税引前当期純利益 – 法人税等

損益計算書を作成する手順

ステップ1:売上高を集計

過去の取引記録や売上データを基に、総売上を計算します。
取引先ごとの売上を整理することで、分析が容易になります。

ステップ2:売上原価を算出

製造コスト、仕入れ費用、人件費などを集計。
サービス業の場合、労働コストが売上原価に該当することが多い。

ステップ3:販管費の記録

広告費、営業活動に関連する費用、事務所賃料、通信費などを計算します。
費目ごとに分類し、どの活動にどれだけコストがかかっているかを明確に。

ステップ4:その他収益・費用の集計

利息収益や配当収益、借入金の利息支払いなどを記載します。

ステップ5:税金の計算

法人税や消費税の計算を行い、税額を控除。

ステップ6:最終的な当期純利益を計算

すべての要素を反映した後、最終的な利益を計算して記載。

損益計算書作成の具体例

以下は、損益計算書の簡単な例です。

項目金額(円)
売上高10,000,000
売上原価6,000,000
売上総利益4,000,000
販売費及び一般管理費1,500,000
営業利益2,500,000
営業外収益200,000
営業外費用100,000
経常利益2,600,000
特別利益300,000
特別損失200,000
税引前当期純利益2,700,000
法人税等800,000
当期純利益1,900,000

損益計算書のメリットと課題

メリット

財務状況の把握:企業の収益性や効率性を視覚化できる。
意思決定の支援:将来の戦略や予算計画の基礎データを提供。
透明性の向上:投資家やステークホルダーに対する信頼を確保。
業績比較の容易さ:他社や過去のデータと簡単に比較可能。

課題

作成の複雑さ:特に中小企業では、すべての項目を正確に集計するのが難しい。
データの信頼性:記録が不正確だと誤った結論を導く可能性。
短期視点のリスク:利益を短期的に重視しすぎると、長期的な成長が阻害される。

損益計算書の活用例

予算計画

損益計算書のデータを基に、収益と費用を予測し、次年度の予算を策定。

投資判断

企業の収益性を評価し、資金の配分を検討。

パフォーマンス評価

従業員や部門ごとの収益貢献度を測定し、インセンティブや改善計画を設計。

損益計算書作成のポイント

データの正確性

正確な記録を維持するために、定期的な帳簿整理や会計ソフトの活用を推奨。

分析視点の導入

損益計算書をただ作成するだけでなく、分析して改善点を見つける。

専門家の活用

税理士や会計士に相談し、正確かつ効率的に作成する。

まとめ

損益計算書(PL)は、企業経営における重要な財務資料です。正確かつタイムリーな作成は、
経営の透明性を高め、持続可能な成長を促進します。
本記事を参考に、自社のPL作成に挑戦してみてください。
必要に応じて専門家の支援を活用することも重要です。

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