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2025.6.17

メタバースでのブランド体験:VRイベント事例と成果指標で読み解く次世代マーケティング

仮想空間で人々が集まり、体験し、商品と出会う。
メタバースが単なる流行語を超え、ブランドと顧客の“新しい接点”として急速に実装されつつあります。
中でも、VRイベントを通じたブランド体験の提供は、
従来の広告やSNS施策とは異なる深いエンゲージメントを生み出しています。

この記事では、メタバース空間でのブランド活用の基礎から、
実際の成功事例、そして成果をどう測定すべきかまで、実践に役立つ情報をお届けします。

メタバースとは?マーケティングとの接点

● 定義と背景

メタバースとは、「Meta(超)+Universe(世界)」の造語であり、
インターネット上に構築された仮想空間での共有体験を意味します。
3D空間内でユーザー同士が交流したり、アバターを通じて物理的制約なく活動することが可能です。

● なぜブランドが注目するのか?

  • 「滞在型×体験型」のマーケティングが実現できる
  • 広告ではなく“参加型のブランド体験”として好意的に受け入れられる
  • Z世代・α世代を中心に、日常的な空間として定着し始めている

単なる“話題作り”ではなく、継続的なブランド接点の形成が可能

メタバース×VRイベントでできること

施策目的活用例
仮想展示会ブランド認知/商談化BtoB企業の技術展示/スタートアップの製品発表
バーチャルライブファンエンゲージメント音楽ライブ×限定グッズ販売
ワールド内ショップ販売・接客体験3D空間でのアバター接客・NFT販売
ゲーミフィケーション体験価値・滞在時間向上スタンプラリー、ARクエスト

ポイント:ユーザーが「操作し、発見し、感情を動かす」設計が成功の鍵

成功事例に学ぶ:VRイベントでブランドが得た成果

◉ 日産自動車 × バーチャル渋谷(cluster)

  • 仮想渋谷の街並みに自社モデルを展示
  • 実際に車の周りを歩き回ったり、ドアを開閉できる没入体験を提供
  • 音声ナビで仕様を確認→公式サイトへの遷移もスムーズに設計

結果
・VR空間内滞在時間:平均15分超
・イベント後の公式サイト流入数:約2.3倍に増加
・20〜30代の認知度が有意に向上(アンケート結果より)

◉ 資生堂 × メタバース美容体験(VRChat)

  • 美容アドバイザーアバターによるパーソナルメイク提案を実施
  • メイクの「見た目」だけでなく、「感情の動き」や「演出空間」でブランディング

結果
・参加者の90%以上が「また参加したい」と回答
・ブランド好意度が平均25%上昇
・EC経由での商品購入率が1.6倍に

◉ バーチャルマーケット(Vket)参加企業の事例

  • バンダイナムコ、パナソニック、KDDIなどが多数出展
  • アバター用のデジタルアイテム販売/リアルグッズへの導線も併設

Vket2023では総来場者数が100万人超
→ ブランド単体の売上増だけでなく、「新しいファン層」形成に成功

成果指標(KPI)はどう設計する?

● 量的指標(定量KPI)

項目内容
来場者数/セッション数イベント集客のベース指標
平均滞在時間エンゲージメント・没入度の指標
購入数/CVREC連携・商品購入との接続性
公式サイト流入リアル施策との連携効果
SNSシェア数/UGC投稿数拡散性・話題性の測定

● 質的指標(定性KPI)

項目内容
ブランド好意度アンケート、Web調査など
参加者満足度NPS(ネットプロモータースコア)を活用
コミュニティ化継続的な来場/再参加意向など

成果は“直接売上”ではなく、“認知→関心→信頼”の中長期効果として評価する

実施時の設計ポイントと注意点

ステップ①:目的を明確にする

  • 新規認知か?
  • ファンエンゲージメントか?
  • EC売上アップか?

→ 目的によって空間設計・KPI・導線が大きく変わる

ステップ②:ユーザーの導線とUX設計を丁寧に

  • アバター移動が“面倒”に感じさせない設計が大切
  • 初回参加者に配慮したガイド・チュートリアル導入も必須

ステップ③:リアル/デジタル連携でCVを設計

  • 「空間体験」→「限定アイテム」→「EC購入」
  • 「イベント参加」→「公式LINE登録」→「後日オファー」

メタバースは“体験を分断しないこと”が成果につながる

今後の展望:ブランド×メタバース体験の未来

  • Apple Vision ProなどのARデバイス普及により、リアル連携がさらに加速
  • コミュニティ主導型のブランド体験(DAO的設計)の台頭
  • GenAIとの連携による、アバター接客や動的パーソナライズの実装も進行中

これからは“商品を売る”ではなく“世界観に招き入れる”時代へ

まとめ:メタバースは“売る場”ではなく“惹きつける体験場”へ

メタバースは、一部のIT企業やゲームだけの世界ではありません。
すでに多くのブランドが「体験設計の場」として活用し、新たなファン層を獲得し始めています

  • 世界観を体験してもらう
  • 双方向のコミュニケーションを設計する
  • ブランドの価値観に“没入”してもらう

そのすべてが、従来の施策では得られない深いエンゲージメントにつながっているのです。

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