a-simple-explanation-of-the-difference-between-roas-and-roi-and-how-to-use-themROASとROIの違いと使い分けをやさしく解説!

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2025.7.23

ROASとROIの違いと使い分けをやさしく解説!

デジタルマーケティングに携わっていると、必ず耳にするのが「ROAS」と「ROI」という2つの指標。
どちらも“広告効果”を測るための重要な数字ですが、意味や使い方は微妙に異なります。

「ROASが高ければOK?」「ROIも確認すべき?」
そんな疑問を抱くマーケターや中小企業の担当者のために、
今回は ROASとROIの違いと使い分け方 をわかりやすく解説していきます。

そもそもROASとは?

ROAS(Return on Advertising Spend)=広告費用対効果

ROASは「広告費に対して、どれだけの売上があったか」を示す指標です。

計算式
ROAS(%) = 売上 ÷ 広告費 × 100

たとえば…

  • 広告費:10万円
  • 売上:50万円
    ROAS = 50万 ÷ 10万 × 100 = 500%

ポイント
ROASが100%を超えていれば、広告費以上の売上が出ているということ。
数字が大きいほど「広告が売上に貢献している」と判断されます。

ROIとは?

ROI(Return on Investment)=投資利益率

ROIは、広告費だけでなく「原価や人件費などのコストも含めたうえで、
利益がどれだけ出たか」を示す指標です。

計算式
ROI(%) = (売上 − 原価 − 広告費)÷ 広告費 × 100

たとえば…

  • 売上:50万円
  • 原価:25万円
  • 広告費:10万円
    ROI = (50万 − 25万 − 10万)÷ 10万 × 100 = 150%

ポイント
ROIは「実質どれだけ利益が出たか」を測る指標。
ROASと違って、商品コストや諸経費が含まれているため、より経営的な視点に近い判断が可能です。

ROASとROIの違いを図解で整理

指標意味計算式重視する視点用途
ROAS広告費に対する売上売上 ÷ 広告費 × 100売上の伸び率広告運用担当が重視
ROI広告費に対する利益(売上−原価−広告費)÷ 広告費 × 100利益の効率性経営層や予算責任者が重視

まとめると

  • ROAS = 売上重視
  • ROI = 利益重視

なぜ両方見るべきなのか?

ROASが高くても利益が出ない場合がある

たとえば、原価が高すぎる場合は、売上が伸びても利益がほとんど残らないということがあります。

ROIだけで判断すると、広告の規模が見えにくい

逆に、ROIが高い案件があっても、その売上規模が小さければ、
会社全体への貢献度は低いかもしれません。

→だからこそ、「両方の視点」が大切です。

どう使い分ける?実務での活用ポイント

【マーケティング担当者向け】

  • 広告の改善時にはROASを見る
    • どの媒体・クリエイティブが売上を生んでいるか
    • CPCやCTRとの組み合わせで効果測定
  • ROIは週次や月次の戦略判断で活用
    • 予算配分の見直し
    • 商品別・セグメント別の利益管理

【経営層・マネージャー向け】

  • ROIを主軸に、事業全体の収益性をチェック
    • 広告費の回収スピード
    • 長期的なLTVとのバランスも見る

よくある誤解と注意点

誤解1:ROASが高い=儲かっている

→ 原価が高い、返品が多い、人的コストが重いなどで、実質赤字になっているケースも。

誤解2:ROIが低いから即NG

→ 新規獲得フェーズでは、あえて赤字でもCVを取る施策もあり。ROIだけで切り捨てない。

ROAS・ROIを改善するには?

ROAS改善施策

  • ターゲティングの精度向上
  • LPのCVR改善(例:A/Bテスト)
  • 広告文・クリエイティブの改善
  • 広告媒体の見直し(CPA低い媒体を強化)

ROI改善施策

  • 商品の原価率見直し
  • 顧客単価(LTV)アップ施策
  • 無駄なキャンペーンや特典の精査
  • 顧客対応などの業務効率改善

LTVと組み合わせて考えるとより効果的

広告施策を“今この瞬間”の結果だけで判断せず、「どれだけ長く顧客と関係性を保てるか(LTV)」まで見据えてROIを再計算すると、リピート前提の施策でも判断しやすくなります。

まとめ:ROASとROI、どちらもマーケターの必須指標!

  • ROASは“広告運用”の成績表
  • ROIは“ビジネス全体”の収支バランス

それぞれの特性を理解し、目的に応じて使い分けましょう。
広告費を「売上につなげる」だけでなく、「利益に転換する」ことができて初めて、
広告は本当の意味で成果を生み出します。