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2025.7.30

指標に振り回されない!目的に応じた数値分析の考え方【脱・なんとなく分析】

「PVが多いからこのコンテンツは成功?」
「フォロワーが増えてるからこの投稿は効果的?」
こうした“なんとなくの数値評価”でマーケティングを進めていませんか?

今や、Webマーケティングにおいてアクセス解析・広告指標・SNS分析など、
見える数字は増え続けています。
しかし、それらに「振り回されてしまう」と、本来の目的を見失い、
間違った意思決定や施策の空回りにつながってしまいます。

この記事では、「指標はあくまで目的達成のための道具である」という視点から、
目的別にどの指標をどう見ればいいのか?という本質的な数値分析の考え方を解説します。

なぜ指標に振り回されるのか?

数値が「目的」になってしまっている

「フォロワーを1万人にしたい」「PVを10万に伸ばしたい」
これ自体は目標のように見えますが、それは“手段”であって“目的”ではないことが多いです。

本来の目的は

  • 売上を伸ばしたい
  • 資料請求を増やしたい
  • 問い合わせの質を上げたい

指標は、その目的に向かうための「モニター装置」に過ぎません。

業務上の“ノルマ”が指標を先行させている

  • 「毎週、SNS投稿のリーチ数を報告しなければならない」
  • 「広告のクリック率(CTR)を改善するよう指示された」

こうしたプレッシャーで、指標の上昇だけを追いかける状態に陥ると、視野が狭くなります。

数字を見る前に考えるべきこと【目的→戦略→指標】

本質的な数値分析は、次の順序で考える必要があります。

  1. 【目的】何を実現したいのか?
  2. 【戦略】どんな方針で取り組むのか?
  3. 【指標】何を見て成果を判断するのか?

例:BtoB企業でリード獲得が目的の場合

  • 目的:質の高いリードを安定的に月50件獲得
  • 戦略:SEOでホワイトペーパーを軸に流入増加
  • 指標:
    • SEO流入数(KPI)
    • ホワイトペーパーDL数(KPI)
    • CV率(KPI)
    • 有効リード率(KGI)

このように、「目的 → 達成手段 → モニターする数字」を明確にすれば、
数字に振り回されずに済みます。

目的別:見るべき指標とその考え方

目的①:認知拡大

戦略例

  • SNS投稿でバズを狙う
  • インフルエンサーとのタイアップ
  • 広告でインプレッションを最大化

見るべき指標

  • リーチ数/インプレッション数
  • フォロワー増加数(期間内)
  • 動画再生数(3秒・15秒・完走率)
  • ブランド名の検索ボリューム

注意点

数字が大きくなっても、「質」が伴っているかを常に見極める。
→ インプレッションが伸びても、見せたい相手に届いていないと無意味。

目的②:集客・流入の拡大

戦略例

  • SEO記事を継続発信
  • 広告からLPへ誘導
  • SNSリンク経由でブログに流す

見るべき指標

  • オーガニックセッション数
  • 広告クリック数・CTR
  • ランディングページごとの直帰率
  • 流入チャネル別のCV率

注意点

「PVが増えた」だけでは不十分。
「その流入が次のアクション(CV)に結びついているか?」を常に見ること。

目的③:コンバージョン獲得(CV)

戦略例

  • LP改善でCVRアップ
  • A/BテストでCTA強化
  • オファー内容を最適化

見るべき指標

  • CV数(送信完了、購入完了など)
  • CVR(コンバージョン率)
  • 離脱率(フォームページなど)
  • LPの滞在時間・スクロール率

注意点

CV数だけを追うと「質の低いCV」も増やしてしまう可能性がある。
→ 有効CV率・案件化率も併せて分析する必要がある。

目的④:リテンション・LTV向上

戦略例

  • メールやLINEによるフォロー
  • 定期購入・サブスクモデルの継続促進
  • 顧客満足度向上

見るべき指標

  • リピート率/定期継続率
  • 顧客ごとのLTV(累積購入額)
  • 解約率(チャーンレート)
  • NPS(顧客ロイヤリティ指数)

注意点

短期的なキャンペーンで一時的に数字を上げるのではなく、中長期での関係性構築に注目する。

指標分析で陥りやすい3つの落とし穴と対策

① 目先の数字に一喜一憂してしまう

→ 対策:「週次」や「月次」など、見る頻度を決める。また、トレンドを見る習慣をつける。

② 過去データと比較していない

→ 対策:前週・前月・前年と比較する基準軸を常に持つ。絶対値ではなく変化率で評価する。

③ 改善アクションにつながらない

→ 対策:数字を見たら「なぜそうなったのか?」
「次に何を変えるか?」という仮説と施策をセットで考える。

分析から改善につなげる思考法:3つの問い

数値分析の最終目的は「判断の質を上げ、改善につなげること」です。
そのために有効な3つの問いがあります。

① この数字は「目的」に照らして意味があるか?

→ ただの数値ではなく、目的に対する貢献度を考える。

② この数字が「なぜ」出ているのか?

→ 背景要因・ユーザー行動を深掘る。

③ 次に「何を変えれば」この数字が改善するか?

→ 仮説→施策→再検証というPDCAの出発点。

ツール別:指標活用のポイント

ツール指標の活かし方
Google Analytics(GA4)流入元別CVR、ページごとの直帰率、イベント計測などでページ改善
Google Search Console検索クエリから意図分析し、タイトル改善やリライトに活用
SNS(X, Instagramなど)エンゲージメント率や保存数で投稿の質を評価
Google Ads, Meta広告CPC・CTR・CVR・ROASを見ながら予算配分を最適化
CRM・MAツール顧客属性別のLTV、解約率、ナーチャリング成果など

まとめ:数字を見る“前に”考えよう

数値分析において最も重要なのは、「目的から逆算する視点」です。
指標は“道しるべ”であり、“目的地”ではありません。

正しく使えば最短距離を示してくれる一方で、誤って使えば迷子にもなり得ます。

今日から実践したい3つのアクション

  1. 数字を見る前に「何のためか?」を問い直す
  2. 目的別に見るべき指標を整理しておく
  3. 数字を見たら、次のアクションを必ず1つ考える

これを繰り返すだけで、数字に振り回される側から、数字を武器にする側へと変わることができます。