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2025.9.7

Google Consent Modeとは?モデリングCVの仕組み

同意と計測の両立が求められる時代

個人情報保護規制の強化やクッキーレスの流れにより、マーケティングの世界では「ユーザーの同意」と「広告効果計測」の両立が大きな課題になっています。
これに対応するためにGoogleが提供しているのが Google Consent Mode(同意モード) です。

Consent Modeを導入すると、ユーザーがCookie利用に同意していない場合でも、
Googleタグは一定のシグナルを送信し、
統計的な推定(モデリング)を通じてコンバージョン数を補完できます。

本記事では、Consent Modeの仕組みと、特に重要な「モデリングCV」について詳しく解説します。

Google Consent Modeとは?

定義

Google Consent Modeは、
ユーザーのCookie同意状況に基づいてGoogleタグの挙動を動的に制御する仕組みです。

  • 同意がある → 通常通りCookieを使った計測が可能
  • 同意がない → 個人を特定しない制限されたシグナルを送信

この情報をもとにGoogleは機械学習を用い、「計測できなかったコンバージョンをモデル化」します。

仕組み

Consent Modeは、ユーザーの同意ステータスに応じて以下のパラメータをGoogleタグに渡します。

  • ad_storage(広告用Cookieの利用可否)
  • analytics_storage(解析用Cookieの利用可否)

これらが「denied」の場合、Cookieは保存されず、匿名化された情報のみが送信されます。

モデリングCV(Modeled Conversions)の仕組み

観測データと推定データの統合

Consent Modeでは以下2種類のデータを組み合わせます。

  • Observed Conversions(観測CV):同意を得たユーザーから直接計測されたCV
  • Modeled Conversions(モデル化CV):同意を得られず計測できなかったCVを、機械学習で推定したもの

結果として「Total Conversions(合算CV)」がレポートされます。

モデリング手法

Googleは観測データから「ユーザー行動パターン」と「広告クリックからCVに至る確率」を学習し、
それを同意拒否ユーザーにも適用してCV数を補完します。

  • 広告をクリックした後、同意を拒否したユーザー → 実際のCVは分からない
  • 類似の同意ユーザーの行動データから確率を推定 → 「このユーザーもCVした可能性が高い」とモデル化

メリット

  • 計測漏れを最小化できる
  • Cookie規制の厳しい環境(Safari、iOS)でも広告効果を把握可能
  • 広告最適化(入札戦略など)が正しく機能する

実際にどう数値が変わるのか?

導入前

  • 観測CV(Observed):80件
  • レポート上のCV数:80件

導入後(Consent Mode有効化)

  • 観測CV(Observed):80件
  • モデル化CV(Modeled):20件
  • 合算CV(Total):100件

実際に発生していたCVを補完できることで、広告効果を過小評価せずに済むようになります。

モデリングCVの活用における注意点

  1. 推定値であることを理解する
    100%正確ではなく、あくまで「統計的に妥当な推測」。
  2. 媒体ごとの差異がある
    Google広告とGA4では、モデル化の適用範囲や数値が異なることがある。
  3. 社内説明の工夫が必要
    上司やクライアントにレポートする際は「観測CV」と「モデル化CV」を分けて説明すると納得感が得られる。

導入ステップ

  1. CMP(同意管理プラットフォーム)の導入
    → ユーザーのCookie同意を取得・管理する仕組みを整備
  2. Consent Modeのタグ実装
    → Google Tag Managerやgtag.jsで同意ステータスをGoogleタグに連携
  3. レポート確認
    → Google広告やGA4で「Observed CV」「Modeled CV」を確認

今後の展望

  • Googleは2025年にサードパーティCookieを完全廃止予定
  • モデリングは広告効果測定のスタンダードになっていく
  • マーケターは「完全計測できる時代は終わった」ことを前提に、
    モデル化データを含めた判断を行う必要がある

まとめ

  • Google Consent Modeは「同意と計測」を両立する仕組み
  • モデリングCVは、計測できなかったCVを統計的に補完する指標
  • 「Observed CV」と「Modeled CV」を分けて理解・報告することが重要
  • 今後は「モデリング前提の広告効果測定」がマーケターに必須となる

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