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株式会社REPRESENT(レプリゼント)ブログ顧客ジャーニーに基づくデータ活用シナリオ
ブログ
2025.9.3
顧客ジャーニーに基づくデータ活用シナリオ

はじめに:顧客理解の鍵は「ジャーニー思考」
マーケティングにおいて「データ活用」が重要であることは誰もが理解しています。
しかし、実際の現場では「数値は集めているけれど、
どのように改善につなげればよいか分からない」という声が多く聞かれます。
そこで効果を発揮するのが、顧客ジャーニーに基づいたデータ活用です。顧客がブランドを認知し、
検討し、購入し、リピートするまでのプロセスを描き、
その各段階に合わせてデータを収集・分析・施策に活かすことが、成果につながる最短ルートです。
顧客ジャーニーとは?
顧客ジャーニー(Customer Journey)とは、顧客が商品やサービスを知り、
購入し、利用・継続に至るまでの一連の体験を「旅路(Journey)」として捉える考え方です。
一般的には以下のステージで整理されます
- 認知(Awareness):商品やサービスを知る
- 興味・関心(Interest):比較検討を始める
- 購入(Conversion):実際に購入や契約を行う
- 利用・継続(Retention):体験を重ねて評価する
- 推奨(Advocacy):口コミやSNSで他者に勧める
各ステージにおけるデータ活用シナリオ
認知段階
目的:ブランドを知ってもらう
収集データ:インプレッション数、リーチ数、広告CTR、SNSエンゲージメント
活用例
- 広告の表示回数とクリック率を分析し、認知施策の効果を測定
- SNSでの言及数やいいね数をトラッキングし、認知度を定性的に補完
この段階では「数を広げる」ことが目的のため、リーチ系指標を中心に確認します。
興味・関心段階
目的:顧客が商品を検討するきっかけを作る
収集データ:サイト訪問数、直帰率、滞在時間、資料請求数、動画再生数
活用例
- サイト内のヒートマップで「どのコンテンツに関心が集まっているか」を可視化
- メルマガ開封率やクリック率を追い、興味度の高いセグメントを特定
「関心が高い層」を抽出することで、次の購入段階にスムーズに進ませる準備ができます。
購入段階
目的:実際に購入・契約してもらう
収集データ:CV数、CVR、CPA、カート離脱率、決済完了率
活用例
- A/BテストでLP(ランディングページ)の改善ポイントを見極める
- カート離脱率の高い箇所を特定し、UI/UXを改善
- CPAが高止まりしている場合、広告ターゲティングの見直しを検討
購入率(CVR)とコスト(CPA)の両面から分析することが重要です。
利用・継続段階
目的:顧客を長期的に維持する
収集データ:利用頻度、解約率、継続率、NPS(顧客満足度)、LTV
活用例
- SaaSであればログイン頻度や機能利用率を追い、離脱の予兆を検知
- 購入履歴を基にレコメンドメールを配信し、リピート購入を促進
- 定期購入の解約率を分析し、初回から3か月以内の継続施策を強化
単発購入で終わらせず、LTVを高めることが収益最大化の鍵です。
推奨段階
目的:顧客がブランドを広めてくれる状態を作る
収集データ:口コミ数、レビュー評価、SNSシェア数、紹介経由の新規獲得数
活用例
- アンケートやNPSで高評価顧客を抽出し、リファラルキャンペーンに誘導
- SNSでのUGC(ユーザー生成コンテンツ)を収集・拡散
- レビュー内容をテキストマイニングし、改善点や強みを抽出
推奨段階は、新規顧客獲得コスト(CAC)を下げる効果が大きく、戦略的に育成すべきです。
データ活用を成功させる3つのポイント
KPI設計をジャーニーごとに分ける
認知段階は「リーチ数」、購入段階は「CVR」、継続段階は「LTV」といったように、
ステージごとに見るべき指標を分けることで、改善アクションが明確になります。
データをつなげる
広告、Web解析、CRM、CSツールなど、サイロ化したデータをつなげることで「顧客の全体像」が見えるようになります。BigQueryやCDP(Customer Data Platform)の導入は有効です。
定量と定性の両面で分析
アクセス数やCV数といった数値だけでなく、アンケートやレビューといった顧客の声(VoC)を取り入れることで、数値に隠れたインサイトを引き出せます。
まとめ
伝わる資料化のためには「数字の解釈」だけでなく「次のアクション」を提示することが重要
顧客ジャーニーは「認知 → 関心 → 購入 → 継続 → 推奨」の流れで整理できる
各段階に応じて「見るべき指標」と「打つべき施策」は異なる
データ活用の鍵は、ジャーニーに沿ったKPI設計と、データ統合・可視化の仕組みづくり
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