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2025.8.24

GA4時代の指標はどう変わる?ユニバーサルアナリティクスとの違い

はじめに:GA4への移行は“ただの乗り換え”じゃない

2023年7月にユニバーサルアナリティクス(以下UA)が正式にサポート終了となり、
Googleアナリティクス4(GA4)への移行が本格化しました。
「GA4って見づらい」「指標の意味が変わって混乱する」といった声も多く聞かれる一方で、
GA4は“新しい分析の視点”を提供してくれる強力なツールでもあります。

本記事では、GA4とUAの指標の違いを中心に、
「どう変わったのか」「どう使い分けるべきか」を解説します。

UAとGA4の前提的な構造の違い

UAは「セッションベース」、GA4は「イベントベース」

UAではページビュー・セッション・ユーザーといった概念が主軸でした。
GA4ではすべての計測データが「イベント」として処理されます。
たとえば

操作内容UAでの指標GA4での指標
ページ閲覧ページビューpage_viewイベント
ボタンのクリックイベントclickイベント
スクロールイベントscrollイベント

つまり、GA4では「行動の粒度」が細かくなったことで、より柔軟な分析が可能になります。

指標の大きな違い:セッション/ユーザーの定義が変わった

セッション数:UAより少なく出る傾向

UAでは以下のような条件でセッションが切れていました

  • 30分の無操作
  • 日付変更(午前0時)
  • 検索エンジンや参照元の変化

一方、GA4では「セッションのカウント方法がより一貫」しており、
参照元の変化ではセッションが切れないなど、定義が異なります。

そのため、同じ期間を見ても「UAのほうがセッション数が多い」と感じるのは自然なことです。

アクティブユーザーの考え方も変化

UAの「ユーザー」はCookieベースでしたが、GA4では“アクティブユーザー”が標準表示されます。
これは「ある一定のアクション(例:セッション開始イベント)をした人」の数で、
UAの「すべてのユーザー」とは定義が違います。

コンバージョンの捉え方の違い

UAでは「目標」、GA4では「コンバージョンイベント」

UAのコンバージョン(目標)は、設定した条件(ページ到達やイベント発生)を満たすものとして登録されていました。
GA4では、任意のイベントを「コンバージョン」としてマークするという考え方です。

  • 「thanks.html」への到達 → page_viewイベント+URL条件でコンバージョン指定
  • 「フォーム送信完了」 → form_submitイベントをコンバージョン指定

GA4では複数条件でのコンバージョン計測が標準でできない(カスタム設定が必要)ため、
精緻な設定が求められます。

離脱率からエンゲージメント率へ:指標の転換

UAでは重要な指標として「直帰率」「離脱率」が使われていましたが、
GA4ではこれが「エンゲージメント率」に変わります。

GA4におけるエンゲージメントセッションとは?

次の条件のいずれかを満たすセッション

  • 滞在時間が10秒以上
  • コンバージョンイベントが発生
  • 2ページ以上の閲覧

つまり、「なんとなく来て、すぐ離れた人」を除外したアクティブなユーザーを評価対象とする設計になっています。

これはユーザー体験(UX)重視の考え方とも言えます。

GA4で新たに加わった分析視点

GA4の魅力は「探索(Explore)」機能や「パス分析」「ファネル分析」が無料で使えること。

パス分析:ユーザーの流れを可視化

「ユーザーが最初にどのページに来て、次にどこへ進んだのか」を視覚的に追える機能。
施策ごとの流入後の行動を簡単に確認できます。

ファネル分析:離脱ポイントの特定

特定の目標(例:購入完了)に至るまでの段階的な離脱率を可視化。
LPやECサイトなど、最適化のポイントを掴みやすくなります。

GA4導入時の注意点とベストプラクティス

  • 「旧UAと数字が違う」ことに驚かないこと
    同じように見えるセッションやユーザー数でも、定義が違うため数字は一致しません。
  • イベント設計をきちんと行うこと
    すべてがイベントベースなので、どのアクションをトラッキングすべきかを明確に。
  • BigQuery連携でローデータ分析も視野に
    GA4ではBigQueryへのエクスポートが無料で可能に。
    SQLが使えるなら、より深い分析が可能です。

まとめ:GA4は「次世代のマーケター向けアナリティクス」

GA4は、従来のUAと比べて柔軟性が高く、
ユーザー行動の把握や施策の改善に役立つ機能が多数備わっています。
とはいえ、最初は「見慣れない」「数字の意味がわからない」と感じるのも当然。

焦らず、「なぜこの数字が出ているのか?」を言語化する訓練を続ければ、
きっとGA4が強力な武器になってくれるはずです。

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