google-analytics-x-heat-map-data-analysis-techniques-that-reveal-the-why-of-user-behavior-by-interpreting-user-psychology-from-numbersGoogleアナリティクス×ヒートマップ:ユーザー心理を数字から読み解く行動の“なぜ”に迫るデータ分析術

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2025.8.6

Googleアナリティクス×ヒートマップ:ユーザー心理を数字から読み解く行動の“なぜ”に迫るデータ分析術

はじめに:数字だけじゃ見えない“行動の裏側”

「アクセス数はあるのに、なぜコンバージョンしないのか?」
「ページは読まれているのに、問い合わせにつながらない…」

このような悩みは、多くのWeb担当者が抱える共通の課題です。
Googleアナリティクス(以下GA)は、数値でユーザーの動きを可視化できますが、
その“心理”までは読み取りづらいことがあります。

そこで役立つのが 「ヒートマップ」です。
GAと組み合わせることで、数値の裏にある“行動心理”を読み解く強力なツールとなります。

本記事では、以下の流れで解説します:

  1. Googleアナリティクスとヒートマップの違い
  2. 各ツールでわかることとその限界
  3. 両者を組み合わせた実践的な分析例
  4. ユーザー心理を読み解くチェックリスト
  5. 改善施策にどうつなげるか

Googleアナリティクスとヒートマップの違いとは?

Googleアナリティクスとは?

GAは、Webサイトへの訪問状況を「数値データ」として取得・分析するツールです。

主にわかること

  • ユーザー数/セッション数
  • 流入経路(Organic/SNS/広告)
  • ページごとのPV/滞在時間/離脱率
  • CV数・CVR など

できること

  • ボトルネックの特定
  • 成果の測定(コンバージョン数)
  • マーケ施策の効果検証

ヒートマップとは?

ヒートマップは、ユーザーが「どこを見たか・触れたか」を視覚的に分析できるツールです。
実際のユーザー行動を色(ヒート)で表示するため、直感的に理解できます。

主にわかること

  • ページ内の熟読エリア
  • クリックされた要素(ボタン/リンク)
  • 離脱されたスクロール位置
  • 見られていない“盲点”の把握

それぞれのツールの限界を理解する

ツール得意なこと限界
GA全体像・数値での傾向把握「なぜその行動をしたか」までは読めない
ヒートマップページ内の視線・動作の分析サイト全体の流入・導線分析はできない

つまり、GAは「どのページに来て、何人CVしたか」がわかり、
ヒートマップは「そのページで、どこを見て、どこでやめたか」がわかるということです。

ポイント

  • GA:数値で全体を見るレーダー
  • ヒートマップ:視覚で局所を見る虫メガネ

GA×ヒートマップの連携で見えるもの

ケース①:「なぜCVしないのか?」が明らかに

GAだけでは

  • LPのPVは多いのに、CVRが低い…
  • 直帰率が高いが、原因が不明

ヒートマップを使うと:

  • CTA(申し込みボタン)までスクロールされていない
  • ファーストビューに離脱ポイントがある
  • テキストリンクがクリックされて混乱している

「読まれていない・迷っている・行動されていない」が可視化される

ケース②:「改善後」の効果検証ができる

GAで

  • 改修後のCVRが1.8%→2.9%にUP!

ヒートマップで

  • CTAのクリック率が上がっている
  • ファーストビューの滞在時間が増加
  • 重要セクションの熟読率が伸びた

数字だけでなく「行動の変化」まで確認できる

ケース③:「使われていない導線」が判明

GAでは

  • FAQページへのアクセス数が少ない

ヒートマップでは

  • メニューにあるのに誰もクリックしていない
  • 下部リンクがスクロールされていない

見えてない導線・無意味な配置を見直せる

ユーザー心理を読み解くヒートマップの見方

熟読エリア分析(アテンションヒート)

  • 赤:じっくり読まれている
  • 黄〜青:読み飛ばされている/離脱されている

見落とされがちな心理サイン

エリアユーザー心理の仮説
赤い見出し関心・期待がある内容
色が急に変わる箇所退屈/情報が多すぎて離脱

クリックヒート分析

  • 意図したボタンがクリックされていない
  • リンクではない画像がクリックされている

仮説例

  • 画像がリンクに見えている→ユーザー混乱
  • CTAの文言に説得力がない→クリックされない

スクロール率分析

  • ページ上部:100%のユーザーが表示
  • ページ中盤〜下部:急激に減少する

仮説例

  • ファーストビューで“結論”がない→離脱
  • 冒頭が長すぎてスクロールされない

改善施策にどうつなげるか?

ヒートマップで“気づき”が得られたら、次にやるべきは以下のアクションです。

STEP1:仮説を立てる

例)CTAがクリックされていない → 文言・位置を改善すべき?

STEP2:ABテストや改善案を用意

  • CTAボタンの色や文言を変更
  • ファーストビューに「メリット」を配置
  • 無駄なリンクや要素を削除

STEP3:GAで再計測/ヒートマップで再観察

  • CVRの変化だけでなく、ユーザーの視線・クリックの変化も見る
  • 数字とヒートの両方で成果を判断

ツール紹介|おすすめヒートマップ3選(日本語対応)

ツール名特徴無料プラン
Mouseflow海外製だが使いやすく、動画録画も可能◯(制限あり)
MIERUCA HEATMAPコンテンツSEOに強いミエルカが提供△(トライアル)
Ptengineヒート+ABテスト・ファネル分析も可能◯(フリープランあり)

まとめ:ユーザー心理は“行動”に現れる

Googleアナリティクスは数字の地図。
ヒートマップは足跡の記録。

この2つを組み合わせることで、
「どこで・なぜ・どのように」ユーザーが行動したかが見えてきます。

単なるPVやCVRの上下に一喜一憂せず、
「見えない理由」を“可視化”するヒートマップを、ぜひあなたのWeb改善に取り入れてみてください。