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2025.9.2

データ可視化で伝わるマーケティング資料の作り方

はじめに:なぜデータ可視化が重要なのか?

現代のマーケティングにおいて、データ分析は必須の業務となっています。
アクセス解析、広告運用、SNS効果測定、顧客データ管理など、日々膨大な数値が生成されています。
しかし、これらの数値をそのまま資料に貼り付けても、上司やクライアントに伝わるとは限りません。むしろ「数字が多すぎて理解できない」と逆効果になることもあります。

そこで重要なのが 「データ可視化」 です。
データをグラフや図解に変換することで、複雑な情報も直感的に理解でき、
相手に「納得感」を与えることができます。

本記事では、データ可視化を活用して「伝わるマーケティング資料」
を作るための考え方と実践的なテクニックを解説します。

データ可視化の基本原則

シンプルにする

一つのグラフに情報を詰め込みすぎると逆効果です。
伝えたいメッセージに必要なデータだけを残し、不要な要素は削ぎ落とすことが重要です。

相手目線で設計する

上司には「全体のKPI」、クライアントには「施策ごとの成果」、
現場メンバーには「改善すべきポイント」といった具合に、相手が欲しい情報を中心に構成します。

比較・推移を意識する

数値は「単体」より「比較」や「推移」で見せると理解しやすくなります。
例:先月 vs 今月、目標値 vs 実績、チャネルA vs チャネルB。

色の使い方に注意

色は強力な情報伝達手段ですが、使いすぎると混乱を招きます。

  • 強調部分にのみビビッドカラー
  • 基本は2〜3色に抑える
  • 赤=悪化、緑=改善など直感的に理解できる配色

マーケティング資料でよく使うグラフと活用例

棒グラフ

チャネルごとのCV数、広告媒体ごとのCPA比較などに最適。
「どの施策が成果を出しているか」を一目で伝えられる。

折れ線グラフ

セッション数やCVRの推移を時系列で表現。
「改善施策の効果が出ているか」を説明する際に有効。

円グラフ

流入チャネルの割合、デバイス別ユーザー比率などに利用。
「全体の中での構成比」を直感的に把握できる。

ファネル図

ユーザーの行動ステップ(訪問 → 資料請求 → 商談 → 成約)を可視化。
ボトルネックを特定するのに便利。

ヒートマップ

LP(ランディングページ)のスクロール率やクリック箇所を可視化。
ユーザーが「どこで離脱しているか」を把握できる。

資料作成のステップ

ステップ1:目的を明確にする

「何を伝えたい資料か?」を最初に決めます。

  • 上司に報告 → ROI・KPIの達成度を明示
  • クライアント提案 → 成果の根拠を示して信頼を獲得
  • 社内チーム共有 → 改善ポイントを明確化

ステップ2:指標を選定する

マーケティング資料では以下のような指標がよく用いられます。

  • 集客系:セッション数、UU数、クリック数
  • 行動系:直帰率、平均滞在時間、エンゲージメント率
  • 成果系:CV数、CVR、CPA、ROAS、LTV

ステップ3:グラフ化する

選んだ指標をわかりやすく可視化。
ただ数値を並べるのではなく「比較」「推移」「割合」で見せる。

ステップ4:ストーリーを持たせる

資料は「数字の羅列」ではなく「ストーリー」になっていることが大事です。

  • Step1:先月の課題
  • Step2:今月の改善施策
  • Step3:成果(改善した数値)
  • Step4:次のアクション

ステップ5:シェア・更新を自動化

GoogleスプレッドシートやLooker Studioを使えば、データを自動で更新し、チームに共有できます。

よくある失敗と改善方法

数字を詰め込みすぎる

→ 指標を絞り、伝えたいメッセージに直結するものだけを残す。

グラフが多すぎる

→ ページごとに「1つのメッセージ」を徹底。必要なら付録に詳細をまとめる。

色やデザインがバラバラ

→ ブランドカラーやガイドラインを統一して使う。

読み手が「次にどうすればいいか」わからない

→ データの後に「アクション提案」を必ず添える。

実践で役立つツール

  • Googleスプレッドシート:シンプルなグラフ作成に便利
  • Looker Studio:ダッシュボード形式で可視化
  • Tableau / Power BI:高度なデータ分析や企業レベルでの活用に最適
  • Canva:資料用のインフォグラフィック作成に便利

まとめ

スプレッドシートやBIツールを活用すれば自動化・効率化も可能

データ可視化は「複雑な数字を直感的に伝える」ための手段

資料は「誰に何を伝えるか」を起点に指標を選ぶ

棒グラフ、折れ線、円、ファネル、ヒートマップを使い分ける

数字だけでなく「ストーリー」と「アクション」を添えると伝わる資料になる