hubspot-vs-salesforceHubSpot vs. Salesforce:MAツール選定ポイント徹底比較ガイド

ブログ

2025.6.3

HubSpot vs. Salesforce:MAツール選定ポイント徹底比較ガイド

マーケティングオートメーション(MA)は、見込み客の育成から商談化、
さらには顧客維持までを支える“売上直結”の必須ツールです。
中でも、HubSpotとSalesforceはBtoB・BtoCを問わず、
グローバルでも国内でも導入実績が豊富な二大巨頭です。

本記事では、両者の機能・価格・運用性・連携性などを多角的に比較し、
自社にとって最適なMAツール選定のための「軸」と「勘所」を解説します。

HubSpotとSalesforceの基本スペック比較

項目HubSpotSalesforce(+Pardot/Marketing Cloud)
提供形態オールインワン(CRM+MA)SalesforceにMA機能を追加(Pardotなど)
主な対象中小企業〜中堅企業中堅〜大企業、グローバル企業向け
UI/UX直感的、シンプル高機能、やや複雑
初期費用0円〜(一部無料)数十万円〜
導入期間短い(数日〜)長い(数週間〜数ヶ月)
主な強み成長型SaaSとして柔軟/UIが優秀高度なカスタマイズ・複雑な業務連携に対応可能

機能比較:MAにおける主要領域で見る違い

リード管理

比較項目HubSpotSalesforce
リード情報管理CRMと連携してシームレスSalesforce CRMと完全統合(Sales Cloud)
スコアリング標準搭載・設定しやすいカスタマイズ豊富だが設計には知識が必要
リードの履歴追跡ページ訪問・メール開封など自動記録Pardot連携で詳細分析が可能

メールマーケティング

比較項目HubSpotSalesforce
配信機能ドラッグ&ドロップ型。テンプレも豊富Marketing Cloudは高機能だが複雑
ABテスト標準搭載Marketing Cloudで詳細設定可能
パーソナライズ高度。属性や行動ベースで条件出し分け可能データ連携によって柔軟に対応可能だが構築コスト高め

シナリオ設計(ワークフロー)

比較項目HubSpotSalesforce
自動化設定ノーコードで設定可能Flow Builderなどで設計。複雑な条件も可
分岐と条件分けUIが視覚的で使いやすい自由度は高いが操作にはトレーニングが必要

価格体系:中長期運用を見据えた判断

HubSpotの料金(マーケティングHub)

  • 【無料プラン】:基本的なメール配信・フォーム設置・CRM利用可能
  • 【Starter】:月額6,000円〜(リード育成機能付き)
  • 【Professional】:月額96,000円〜(自動化・ABテスト等本格利用可)
  • 【Enterprise】:月額384,000円〜(SFA、チーム権限管理、顧客ジャーニー機能)

Salesforceの料金(+Pardot)

  • 【Pardot Growth】:月額約150,000円〜(10,000件まで)
  • 【Marketing Cloud Account Engagement】:さらに上位(数十万〜数百万/月)
  • 導入・設定にパートナー支援費用が必要(別途数十〜数百万円)

ポイント
HubSpotは“使いながらスケール”する料金体系。Salesforceは“最初からフルスペック前提”で設計。

運用性・導入のしやすさ

HubSpotの強み

  • UI/UXが非常に直感的でノーコード運用可
  • サポート・チュートリアルが豊富で、社内運用内製化しやすい
  • スモールスタートに適し、試行錯誤しやすい

Salesforceの強み

  • 大規模データや複数拠点の統合運用に強い
  • 営業・カスタマーサクセスまで含めた全社プラットフォーム化が可能
  • 外部システムとの連携・API接続に圧倒的な拡張性

ポイント
HubSpotは「シンプルに始めたい人」、Salesforceは「高度な統合が必要な人」に向いています。

よくある導入パターンと向いている企業タイプ

企業規模・課題HubSpotが向いているSalesforceが向いている
スタートアップ◎(無料プランから導入可能)✕(初期投資が重い)
中小企業◎(スモールスタートで拡張可能)△(導入コストがネック)
中堅〜大手企業◯(一定の運用体制があれば)◎(部門連携・高度設計が必要な場合)
グローバル展開◯(多言語・多通貨対応)◎(本格的な多拠点統合設計が可能)

データ連携・拡張性の比較

HubSpot

  • Google広告、Meta広告、Slack、Zoomなど主要ツールと連携可能
  • ZapierやWebhook経由で外部アプリとも接続
  • Salesforceともコネクタ経由で連携可能(HubSpot→Salesforceの一方向)

Salesforce

  • 自社プラットフォーム(Sales Cloud/Service Cloud)と高連携
  • BigQuery、Snowflake、MA/CDPツールとの連動にも強み
  • 複雑な業務ロジックも構築可(開発者向け)

「社内のIT設計全体にMAを組み込むかどうか」で判断が変わります。

最終判断のためのチェックリスト

以下の問いに「YES」が多い方が向いているMAツールの傾向です。

チェック項目HubSpot向きSalesforce向き
ノーコードで運用したいYESNO
スモールスタートで試したいYESNO
MAとCRMを統一して管理したいYESYES
拠点や部門ごとの連携が必要YES
カスタマイズが多いYES
社内にマーケターと開発者がいるYES
広告・LP・SNSなど一気通貫で管理したいYES

まとめ:選定の鍵は「今の運用力×未来の構想力」

  • HubSpotは、「今すぐ運用したい」「最初は小さく始めて拡張したい」企業に最適。
  • Salesforceは、「全社データ統合」「複数部署連携」「将来的に大規模展開を見据える」企業にフィット。

ツール選定は“今の課題”だけでなく、
“1〜3年後の理想”を想定して選ぶことが失敗しない最大のポイントです。