its-not-just-about-cost-per-conversion-pay-attention-to-hidden-cost-indicatorsコンバージョン単価だけじゃない!隠れたコスト指標に注目しよう

ブログ

2025.8.7

コンバージョン単価だけじゃない!隠れたコスト指標に注目しよう

マーケティングの世界で「CPA(Cost Per Acquisition/コンバージョン単価)」は、
最もよく使われる指標のひとつです。

  • 1件あたりの問い合わせにいくらかかったか?
  • 購入1件に対して広告費はいくら使ったか?

このように、CPAは確かに重要な指標ですが、
「CPAだけでは見えないコスト」があるのをご存知でしょうか?

本記事では、CPA以外にも注目すべき“隠れたコスト指標”について解説し、
マーケティング投資の最適化に役立つ視点を提供します。

なぜCPAだけでは不十分なのか?

CPAが低ければ成果が良いと思われがちですが、
その数字の裏に“落とし穴”が潜んでいるケースもあります。

例1:質の低いリードを大量に獲得している

  • CPAは2,000円と安く抑えられている
  • しかし、CV後に成約しない/顧客にならない
  • 営業対応の工数だけが増えて赤字に…

例2:広告費だけで計算している

  • 媒体費は10万円→CV50件→CPA2,000円
  • でも実際には…
    • 運用代行費:5万円
    • LP制作・改善:10万円
    • チャットサポート対応工数:月10時間

「目に見えないコスト」が抜け落ちている

CPAに加えて見るべき“隠れたコスト指標”とは?

ここでは、CPA以外に注目すべき代表的なコスト指標を紹介します。

① CPL(Cost Per Lead)|リード獲得単価

意味:見込み顧客(資料請求・メルマガ登録など)を1件獲得するのにかかったコスト。

  • 【使いどころ】BtoBや中長期育成型商材に有効
  • 【注意点】CPLが安くても成約につながらないこともある

② LTV(顧客生涯価値)とのバランス

意味:1人の顧客が、契約から離脱までに生み出す利益の総額。

  • CPAが高くても、LTVが高ければ黒字
  • LTV/CAC(獲得コスト)比率が重要

理想的なLTV/CAC比3倍以上
→ 1万円で獲得した顧客が3万円以上の価値を生むとOK

③ ROAS(広告費用対効果)

意味:広告費に対して、どれだけ売上が上がったか?

  • 式:ROAS = 売上 ÷ 広告費 × 100(%)
  • 広告媒体別に見ると改善のヒントに

【例】
広告費:10万円/売上:50万円
→ ROAS = 500%(5倍)

④ CAC(Customer Acquisition Cost)|顧客獲得コスト

意味:実際に顧客になるまでにかかった総コスト。

  • CPAよりも広い概念
  • LP制作費、CRM導入費、人件費も含める

→ CPAだけでは隠れていた “事業目線の獲得コスト” が見えてくる

⑤ CVR(Conversion Rate)|コンバージョン率

意味:流入したユーザーのうち、どれだけCVしたか?

  • CVRが低いと、同じ広告費でもCPAが悪化する
  • 広告だけでなくLP改善や動線設計が重要

⑥ 計測できない“工数コスト”

  • メール対応時間
  • リードの追客にかかる営業工数
  • 問い合わせから商談化までのフローの長さ

時間はコストです。人が動けば必ずコストが発生しています。

指標を“組み合わせて”見る重要性

どれか1つの数字だけを見て判断するのは危険です。複数の指標を掛け合わせて分析することで、見えてくる改善点があります。

例:CPAはOKだけど、CVRが低い?

  • 広告費を抑えた結果、低質な流入が増加
  • LPが訴求力を失ってCV率が下がっている
  • 結果、CPAは変わらず実は効率が悪化している

例:ROASが高いけどLTVが低い

  • 初回購入に特化した施策に偏り
  • リピート率や継続率が低く、実は利益が残らない

ケーススタディ:コスト指標の再設計で利益率UP

Before

  • 広告費:月50万円
  • CV数:100件 → CPA5,000円
  • LTV:1万円 → 利益は薄利

→ 「CPAは妥当」と判断し改善なし

After(再設計後)

  • 高CVRのLPにリニューアル
  • クオリファイ(質の高い)流入導線へ改善
  • LTVの高いサービス導線にリマーケティング強化

結果

  • CV数は80件に減少
  • CPAは6,000円に上昇
  • しかし、LTVは3万円にアップ!
  • CAC:6,000円/LTV:30,000円 → LTV/CAC = 5.0(健全!)

→ 指標を総合的に見たからこそ、正しい判断ができた。

指標設計のチェックリスト

以下のような質問にYESで答えられるか、チェックしてみてください。

質問YES/NO
CPA以外のコスト指標も把握しているか?
LTVを把握し、広告施策と連動できているか?
工数や人件費も含めてCACを見ているか?
各媒体のROASを出して比較しているか?
CVRが低い原因を広告だけでなくLPにも注目しているか?

まとめ|“安いだけ”のCPAにご用心

コンバージョン単価が安いからといって、それが“良い成果”とは限りません。

  • クオリティの低いリード
  • 実質の工数コスト増
  • LTVが伸びない単発購入者の量産

これらを生み出していては、本当の意味で利益は出ません。

だからこそ、CPAはあくまで“入口の1指標”であり、
最終的には「利益=LTV-CAC」を最大化できる設計が必要です。

最後に|マーケティングは「全体最適」のゲーム

指標は見るものではなく、「使うもの」です。

ぜひCPAという数字の裏にある“見えないコスト”に目を向けて、
利益につながるマーケティング設計に活かしてください。