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2025.3.14
クッキー廃止時代のプライバシーファーストマーケティング:今後の対応策と新しいデータ活用戦略

近年、個人情報保護の強化が進む中で、
Googleは2024年までにサードパーティクッキー(3rd Party Cookie)の廃止を発表しました。
この変化により、従来のターゲティング広告やリターゲティング戦略は大きく変わります。
本記事では、クッキー廃止後のマーケティング環境に適応するための
プライバシーファーストなデータ活用戦略について解説します。
クッキー廃止の背景と影響
クッキーとは?
クッキーとは、ウェブサイトを訪れたユーザーの情報を記録するデータです。
大きく分けて以下の2種類があります。
ファーストパーティクッキー(1st Party Cookie)
ユーザーが訪問したサイト自身が発行するクッキー
ユーザーのログイン状態やサイトの設定を記憶するのに使用
→ 廃止の対象外(今後も利用可能)
サードパーティクッキー(3rd Party Cookie)
他のドメイン(広告ネットワークなど)が発行するクッキー
ユーザーの行動を追跡し、ターゲティング広告などに活用
→ 廃止の対象(広告のターゲティングに大きな影響)
クッキー廃止の主な理由
クッキー廃止の背景には、個人情報保護の強化と消費者のプライバシー意識の向上があります。
GDPR(EU一般データ保護規則)
→ ユーザーの明確な同意なしにデータを収集することを制限
CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)
→ ユーザーにデータ収集のオプトアウト(拒否)権を提供
Googleの「プライバシーサンドボックス」
→ プライバシー保護を重視しつつ広告業界に新しい代替技術を提供
クッキー廃止がマーケティングに与える影響
リターゲティング広告の精度が低下
→ ユーザーが過去に訪れたサイトを追跡しづらくなる
クロスサイトトラッキングが困難に
→ 異なるサイト間でのユーザー行動を分析できなくなる
広告のパーソナライゼーション精度が低下
→ ユーザーの興味に基づいた広告配信が難しくなる
コンバージョントラッキングの変更
→ どの広告が成果に結びついたのか測定しづらくなる
クッキー廃止後のプライバシーファーストなマーケティング戦略
サードパーティクッキーが使えなくなることで、マーケティング戦略の転換が求められます。
以下のような手法が今後の主流になります。
ファーストパーティデータの活用
クッキーの廃止後は、自社で直接収集できるデータ(1st Party Data) の活用が鍵になります。
メールアドレス・会員情報の活用
→ ログイン時に取得した情報を基に、パーソナライズした広告を配信
ウェブサイト行動データ
→ サイト内の閲覧履歴や購入履歴を分析し、リマーケティングを実施
アンケートや直接的なユーザーフィードバック
→ ユーザーの好みや関心を収集し、マーケティングに反映
コンテキストターゲティング
従来の「行動ベースのターゲティング(過去の閲覧履歴)」から、
コンテンツの文脈(コンテキスト)に基づくターゲティングが再注目されています。
関連性の高い広告配信
→ 例えば、スポーツニュースサイトにスポーツ用品の広告を表示
AIを活用したコンテンツ解析
→ 機械学習を用いて、広告とコンテンツの親和性を向上
Googleの「プライバシーサンドボックス」
Googleはサードパーティクッキー廃止に伴い、
「Privacy Sandbox(プライバシーサンドボックス)」 を発表しました。
特に重要な技術として以下の2つがあります。
FLoC(Federated Learning of Cohorts)
→ ユーザー個人ではなく「興味グループ」として広告を配信
Topics API
→ ユーザーの興味関心に基づいた広告を匿名化された形で配信
IDベースのターゲティング
クッキーの代替手段として、「ユニバーサルID」 や
「ログインIDベースのターゲティング」 が注目されています。
Unified ID 2.0(UID2)
→ メールアドレスを暗号化し、プライバシーを守りながら広告ターゲティング
GoogleのFLoCとの組み合わせ
→ IDベースとグループベースのハイブリッドなアプローチ
ゼロパーティデータの活用
ゼロパーティデータ(Zero Party Data) とは、ユーザーが自発的に提供する情報 のことを指します。
会員登録時の好みの入力
→ 「興味のあるカテゴリ」を選択してもらう
インタラクティブコンテンツ(クイズ・アンケート)
→ 診断系コンテンツを活用してユーザーの関心をデータ化
企業が今すぐ取り組むべきアクション
クッキー廃止への対応として、企業は以下のアクションを検討するべきです。
ファーストパーティデータの収集強化
会員登録の促進、CRMデータの活用
プライバシーに配慮したデータ収集・管理体制の構築
GDPR・CCPA準拠のデータ管理
GoogleのPrivacy Sandbox対応を進める
FLoCやTopics APIの実装準備
コンテキストターゲティングを強化
AIを活用した広告とコンテンツのマッチング
メールマーケティングやリードナーチャリングの最適化
ログインユーザー向けのリターゲティング
まとめ
クッキー廃止後のマーケティング環境では、ファーストパーティデータやゼロパーティデータの活用、プライバシーを尊重したターゲティング手法が重要になります。
消費者の信頼を得る透明性の高いデータ活用が、これからのマーケティング成功の鍵となるでしょう。