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2025.10.20

ノートを取るより“まとめる力”を鍛えよう

──「書く」より「整理する」で学びが深まる

はじめに:「きれいなノート」より「使えるノート」を

「授業中、一生懸命ノートを取ったのに、後から見返してもよくわからない」
「書いた満足感だけで終わってしまう」

…そんな経験、ありませんか?

多くの人が「ノートを取る=勉強している」と思いがちですが、
実際には “まとめ方”が学習の質を左右する のです。

情報を「きれいに写すこと」が目的になってしまうと、学びは“受け身”のまま。

一方で、自分の言葉でまとめる力を鍛えると、
理解力・記憶力・応用力が格段にアップ
します。

この記事では、“まとめる力”の重要性と、その鍛え方を具体的に紹介します。

「書く」と「まとめる」は別の行為

まず理解しておきたいのは、ノートを取る=情報の記録
ノートをまとめる=情報の整理・再構築という違いです。

ノートを取る=“情報のコピー”

講義や本の内容を、そのまま写す行為。
一見学んでいるように見えて、実は「理解の浅い状態」で止まっています。

まとめる=“情報の変換”

自分の頭の中で咀嚼し、再構成するプロセス。
これは単なる作業ではなく、思考の訓練でもあります。

情報を「理解している人」ほど、短く・わかりやすく・自分の言葉で説明できる。

“まとめる力”がもたらす3つの学習効果

① 理解が深まる(構造的に考える力)

まとめる過程では、「何が重要か」「なぜそうなるか」を考えます。
これが自然と「構造的思考」を鍛えます。

歴史を丸暗記 → 「原因→結果→影響」という因果で整理
数学の公式 → 「何を求めるための式か」を言葉で説明

② 記憶に残りやすい(再整理で長期記憶化)

心理学の研究では、自分で要約した情報は記憶保持率が3倍になるといわれています。
“自分の言葉”に変換することで、脳が「これは大事」と判断するのです。

③ 応用力が高まる(転用の思考)

まとめる力があると、「別のテーマに置き換える」ことが得意になります。
つまり、他分野の知識と結びつけて使える力がつきます。

知識を「使える」人は、理解より“整理”が上手。

上手な「まとめノート」の作り方

それでは、実際に“まとめる力”を鍛えるノート術を紹介します。

ステップ1:情報を3段階で整理する

ノートを取るときは、「事実」「理由」「自分の考え」の3層で書くのが効果的です。

段階内容書き方例
① 事実教材・講義の内容「AはBの影響でCになった」
② 理由なぜそうなったか「Cになったのは〇〇が原因」
③ 自分の考えどう感じたか・応用「これは自分の仕事にも使える」

この3層構造で整理することで、理解が一気に深まります。

ステップ2:キーワードを中心にまとめる

文章ではなく、キーワード+矢印+図解でつなぐのがコツ。
ノートは“読むもの”ではなく“見るもの”に変えると、復習が速くなります。

例:

原因 → 出来事 → 結果  
↑         ↓  
背景      影響

ステップ3:「人に説明するノート」を意識

“他人に教える前提”でまとめると、説明力と理解力が爆発的に伸びます。

ポイントは

  • 5分で説明できる量に絞る
  • 難しい言葉を使わない
  • 自分の言葉で書く

“説明できる=理解できている”のサイン。

「まとめノート」を作るタイミングと頻度

まとめるタイミングを間違えると、効率が落ちてしまいます。
おすすめは、以下のサイクルです

タイミング目的所要時間
当日夜記憶の定着10〜15分
翌日構造の整理20分
週末全体の再構築30分〜1時間

“まとめる時間”を学習計画に組み込むことが重要。
勉強=覚える時間+整理する時間 と考えましょう。

デジタルツールで“まとめ力”を伸ばす

紙のノートだけでなく、デジタルツールを活用するとさらに効率的です。

おすすめアプリ

ツール特徴
Notionテキスト・画像・リンクを整理できる万能ノート
Miroマインドマップや図解に最適
Googleスライド見せるまとめを作るのに向く
Obsidian知識をつなげる「リンク思考ノート」向き

デジタルなら、再編集・再構成が簡単
つまり、考えながらアップデートできる“生きたノート”になります。

「まとめ方」を意識した復習法

ただ見返すだけではなく、“自分に説明する復習”を意識しましょう。

リフレクション3ステップ

見返す(事実を確認)
まとめ直す(構造化)
話す(人に説明 or 音読)

このサイクルで、「わかる → できる」に変わります。

「まとめる力」を育てる習慣3つ

① “1日1テーマ”を簡潔にまとめる

1日の終わりに「今日学んだこと」を3行で書き出すだけでもOK。
情報圧縮の筋トレになります。

② “なぜ?”を3回繰り返す

まとめるときに、「なぜそうなる?」を3回問い直すと、思考が深まります。
(トヨタ式“5 Whys”にも通じる方法)

③ “図で説明する”練習をする

言葉だけでなく、矢印・箱・線で構造を表すと理解が格段に深まります。

「図解力=まとめ力の上級形」。

“まとめる力”が仕事・人生でも役立つ理由

このスキルは、学生だけでなく社会人にも必要不可欠です。

  • 上司への報告書が要点を押さえられる
  • 企画書が短くても伝わる
  • プレゼンが“理解される構成”になる

つまり、「情報を短く、わかりやすく整理する力」=社会で最も価値あるスキルなんです。

まとめ:ノートは「情報整理の道具」である

学習タイプ特徴改善ポイント
ただ写す情報が多くて理解が浅い自分の言葉にする
まとめる情報が整理されて使える因果や関係性を意識
教える一番理解が深い他人に伝える前提で作る

終わりに

ノートをきれいに取るよりも、どう“整理して伝えられるか”を意識することが学びの本質です。

「何を書いたか」より「どうつながったか」。
その思考を鍛えることが、“まとめる力”の第一歩です。

今日から、ノートの目的を“写す”から“整理する”へ変えてみませんか?

https://youtu.be/kK4amo2QdoQ