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ECサイト制作ブログ

2025.8.5

海外向けECサイトの構築|越境ECの成功事例と運用ポイント

近年、日本国内だけでなく、海外市場をターゲットにした「越境EC」が注目されています。
円安やインバウンド需要の拡大、グローバル物流の進化などにより、
今や中小企業や個人事業主でも海外展開が可能な時代になりました。
本記事では、越境ECの成功事例を交えながら、
海外向けECサイト構築のポイント・運用戦略について詳しく解説します。

越境ECとは?その基本とメリット

越境ECとは何か?

越境EC(Cross-Border E-Commerce)とは、国境を越えて行うオンライン販売のこと。
日本の企業が自社ECサイトやプラットフォーム(Amazon、Shopee、Tmallなど)を通じて、
海外の消費者に商品を販売するビジネスモデルです。

越境ECの主なメリット

  • 新規市場の開拓ができる:日本では飽和状態の商品でも、海外では需要が高い場合がある。
  • 為替差益を活かせる:円安時は、海外販売で得られる利益が大きくなる。
  • 日本ブランドの信頼性:品質重視の“Made in Japan”は海外で高く評価される。
  • インバウンドからの再購入導線:訪日外国人が帰国後にECでリピート購入するケースが増加。

越境ECで人気のある商品ジャンル

  • 美容・コスメ:日本製スキンケアや化粧品は特にアジア圏で高い人気。
  • 健康食品・サプリメント:成分の安全性や効果に対する信頼が強い。
  • ベビー用品・日用品:安心安全が重視されるジャンルでは日本製品の需要が高い。
  • ファッション・雑貨:日本特有のデザインやキャラクターグッズも好まれる。
  • 工芸品・伝統工芸:海外では“本物志向”の層に響くマーケットがある。

越境ECの成功事例3選

【事例①】資生堂(SHISEIDO)

資生堂はアジア市場を中心に現地に合わせたプロモーション戦略を展開。特に中国市場ではTmallやWeChatとの連携でローカルに最適化された販売ページを構築。オムニチャネル戦略でブランド認知と販売を両立。

成功ポイント

  • 現地SNSを活用したインフルエンサーマーケティング
  • 翻訳だけでなく「文化翻訳」も実施
  • アフターケアや返品対応の整備

【事例②】無印良品(MUJI)

無印良品は自社サイトに加え、Amazonや各国のECモールに展開。
シンプルでグローバルに通用するUI/UXを提供し、どの国のユーザーでも使いやすい設計に。

成功ポイント

  • 国ごとにサイトを最適化(言語・通貨・物流)
  • ローカル倉庫を活用して配送スピードを改善
  • 各国の文化に応じた商品ラインナップの調整

【事例③】中小企業の和菓子メーカー

地方の和菓子メーカーが越境ECモール(例:ZenPlusやeBay)を活用してアジア・欧米へ展開。Instagramを活用したSNSマーケティングにより認知拡大し、“日本文化”を軸にしたブランディングでファンを獲得。

成功ポイント

  • SNSによる継続的な発信(レシピ・商品解説)
  • 海外ユーザーの口コミ活用
  • 日本国内向けと分けた在庫・価格設定

越境ECサイト構築の5つのポイント

多言語対応と現地化

ただ翻訳するだけでなく、「文化」「習慣」「購買行動」を理解し、
ローカライズされた表現を用いることが重要。
英語・中国語・韓国語の3言語対応からスタートする企業が多いです。

決済手段の多様化

国によって主流の決済方法が異なります。

  • 中国:Alipay、WeChat Pay
  • 欧米:クレジットカード、PayPal
  • 東南アジア:Cash on Delivery(代引き)

各国に適した決済ゲートウェイを導入することでカゴ落ちを防止できます。

国際配送と物流体制

配送コストや日数がユーザー体験に大きく影響。以下の施策が有効です。

  • 現地倉庫の活用(Amazon FBAなど)
  • 越境物流サービス(ヤマト国際宅急便、EMS、DHL)
  • 送料の明示・関税リスクの説明

信頼性の高いカスタマーサポート

言語の壁・文化の違いから、トラブル対応が重要です。

  • 現地語での問い合わせ対応(チャット・メール)
  • FAQの多言語化
  • 評価・レビューへの即時対応

集客施策(海外向けのSEO・広告)

  • Google海外SEO:現地の検索エンジンに対応(例:Google.com.hk)
  • SNS広告:Facebook、Instagram、TikTokなどでターゲット配信
  • インフルエンサーとのコラボ:現地で影響力のある人物を活用

越境EC運用で注意すべきポイント

  • 関税・輸入制限の確認:商品によっては輸出禁止や特別許可が必要。
  • 法律・規制への対応:薬事法・食品表示法など、国ごとの法制度を把握。
  • 為替リスク:決済通貨と売上回収通貨の違いに注意。
  • 返品・クレーム対応:国際間での返品は難易度が高いため、ルールの明確化が必須。

越境ECを始めるためのおすすめサービス

サービス名特徴
Shopify多言語・多通貨対応がしやすい/テンプレート豊富
BASE越境対応初心者向け・簡単に始められる
Amazon Global Selling販売国が多く物流支援も強い
ZenMarket / ZenPlus日本商品に特化した越境ECプラットフォーム
eBay欧米市場を狙うならおすすめ

まとめ:今こそ海外市場に挑戦するタイミング

越境ECはリスクもあるが、大きな可能性もあるビジネス領域
成功事例に共通するのは「現地に最適化したユーザー体験」
小さく始めて、データをもとに改善しながら拡大するのが鍵
ツールやプラットフォームを活用し、無理なく始められる体制を整えよう

今や日本の魅力を海外に届ける手段として、越境ECは極めて有効です。
“売れる土壌は整っている”と考え、まずは第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。