what-is-stpSTPとは?マーケティング戦略の出発点を知ろう

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2025.6.26

STPとは?マーケティング戦略の出発点を知ろう

~セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング入門~

はじめに:マーケティングは
「誰に」「何を」「どう伝えるか」から始まる

「この商品、誰に向けて売ってるのか分からない…」
「どんな強みを打ち出すべきか迷っている…」

そうしたマーケティングの悩みを解決するのが、
STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)という考え方です。

STPは、「売れる仕組み」をつくるための戦略設計の起点。この考えがしっかりしていないと、
商品や広告が誰にも届かず、無駄な予算や時間がかかってしまいます。

この記事では、STPの基本と実践的な使い方をわかりやすく解説します。

STPとは何か?3つのステップで構成される戦略フレームワーク

STPとは、以下の3つの要素から構成されるマーケティングフレームワークです。

略語意味内容
S(Segmentation)セグメンテーション市場を属性やニーズごとに細分化する
T(Targeting)ターゲティング狙う顧客層(ターゲット)を決定する
P(Positioning)ポジショニング自社商品をどう位置づけるかを設計する

この3ステップを順に行うことで、最適な顧客に刺さる戦略をつくることが可能になります。

Step1:セグメンテーション(市場の細分化)

なぜセグメンテーションが必要か?

すべての人に同じ商品を売ろうとするのは非効率です。
人には年齢、性別、価値観、生活スタイルなどの違いがあります。

だからこそ、市場全体を「いくつかのグループ(セグメント)」に分けて考える必要があります。

よく使われるセグメンテーション軸

分類軸具体例
デモグラフィック(人口統計)年齢・性別・職業・収入など
ジオグラフィック(地理)地域・気候・都市 or 郊外など
サイコグラフィック(心理)価値観・ライフスタイル・性格
行動ベース購買頻度・ブランドロイヤルティ・使用場面

例:健康食品市場の場合

  • 20代の美容志向の高い女性
  • 30〜40代の健康を気にするサラリーマン
  • 高齢者で生活習慣病予防を意識する層

といった具合に、ニーズや関心ごとに分けていきます。

Step2:ターゲティング(ターゲット選定)

どのセグメントを狙うかを決定する

セグメントを分けたら、次は「どのグループに対して商品やサービスを提供するのか」を決めます。
これがターゲティングです。

ターゲット選定の判断基準

視点内容
市場の規模十分な売上が見込めるか?
成長性将来的に伸びる可能性があるか?
競合の状況競合が多すぎないか?
自社との相性自社の強みを活かせるか?

例:新しいプロテインバーの発売時

  • フィットネスジムに通う20代〜30代の男女
  • 忙しい朝に手軽に栄養を摂りたいビジネスパーソン

このように明確な人物像(ペルソナ)まで落とし込むことで、
より精度の高いターゲティングが可能になります。

Step3:ポジショニング(自社の立ち位置を決める)

競合との違いをどう見せるか?

ターゲットが決まったら、次はその顧客に対して
どんな価値を提供するのかを明確にする必要があります。

それがポジショニングです。

ポジショニングの基本

要素説明
ベネフィット顧客が得られるメリット
差別化要因競合とどう違うのか
信頼性その主張に根拠はあるか

ポジショニングマップの活用

たとえば、下記のような「価格」と「機能性」の2軸で市場をマッピングして、
自社の立ち位置を整理するのが有効です。

高機能

│ A社(高価格×高機能)

価格高│ C社(高価格×シンプル)


└────────────→ 価格安

│ B社(低価格×機能性も十分) ← 自社

低機能

このように、ターゲットにとって魅力的かつ独自性のあるポジションを築くことが重要です。

STPを使った戦略の実例

例:宅配食サービス「FitMeal」のSTP

STP内容
Segmentation忙しい社会人/健康志向/ダイエット目的の男女など
Targetingオフィス勤務の20〜40代の男女(特に男性)
Positioning「高たんぱくでおいしい。仕事終わりにレンジでOKな時短飯」

→ ターゲットの課題とライフスタイルに寄り添うポジションで訴求することで、
差別化と刺さるメッセージが可能に。

よくある失敗と注意点

「みんながターゲット」は失敗のもと

広く売ろうとするあまりターゲットが曖昧になると、誰にも響かないマーケティングになります。
ペルソナを1人に絞る勇気が成果につながります。

「競合との差別化」ができていない

「安いだけ」「早いだけ」では埋もれてしまいます。
自社にしか提供できない価値を明確にすることが成功のカギです。

まとめ:STPは戦略の「骨組み」である

  • STPとは、「誰に・何を・どう届けるか」を明確にするための設計図
  • セグメンテーション → ターゲティング → ポジショニングの順に考える
  • 明確なペルソナと差別化ポイントが競争優位を生む
  • 実務ではペルソナ設定、ポジショニングマップ作成が非常に有効

STPをしっかり設計することで、商品も広告も“刺さる”ようになります。
マーケティングの出発点として、まずは自社の商品をSTPで整理してみてください。

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