「Figma ってデザインツールでしょ？」——そんな認識はもはや過去のものです。
2024 年に Dev Mode／Variables／FigJam AI が実装され、
2025 年初には マルチブランチの同時比較 & アノテーション VR が正式リリース。
今や Figma は「デザインファイル」ではなく LP 制作のコラボレーション OS として機能します。

本記事では、Figma を核に 企画 → デザイン → コピー → 開発 → QA → リリース後改善 を
“一気通貫”させるワークフローを 8 ステップ で徹底解説。

• FigJam でアイデア発散
• Design File で変数駆動レイアウト
• Dev Mode & Token Export でコード精度 100 %
• コメント→ブランチ→マージ でストレスゼロの社内レビュー
  この記事 1 本で、貴社の LP 制作フローを 「人に依存する個別作業」から「再現性のあるチームプロセス」 へ変革できます。

ステップ 1｜FigJam アイデアブレスト→構造設計

タスク	ツール／機能	成果物
ペルソナ整理	FigJam AI「Persona Generator」	Want／Pain マップ
ストーリーボード 6 枚	ワイヤーフレームスタンプ	1 スクロール＝1 ゴール構成
KPI ツリー	Mermaid 図プラグイン	CVR 逆算の指標体系

Tips

• アイデアが煮詰まったら、AI に「逆張り視点で批評して」とプロンプトを投げると新しい論点が湧きます。
• コメントは @all で議題化→同ページにホワイトボード議事録を残すと、Slack に貼るだけで社内共有完了。

ステップ 2｜“変数駆動”ワイヤーフレームで量産体制

1. Variables（Color／Spacing／Text） をプロジェクトスコープで定義
2. Auto Layout を Section 単位に組み、変数をバインド
3. ストーリーボード 6 枚を Component Set 化
4. Instance Swap で要素を差し替えながら LP バリエーションを高速生成

メリット

• 配色ガイドラインや余白値を変数で一元管理 → 企業ブランド変更時も 1 分で反映
• ページ数が 10 → 70 に増えてもファイルサイズ爆発を回避
• コピーライターが テキスト変数 CSV を Import するだけで AB テスト素材が自動生成

ステップ 3｜Branching & Review で“衝突しない”並列作業

ブランチ名	目的	レビュー観点
copy-revision_Yamada	H1／CTA 文言改訂	文調＆トンマナ統一
color-tweak_Suzuki	CTA カラー AB	アクセシビリティ比 4.5:1 以上
dev-token_Kato	Design Token export	Sass／Tailwind 変換精度

レビュー手順

1. それぞれのブランチで作業→Draft 完了ボタン
2. Multiple Branch Compare で差分サムネを自動生成
3. @reviewers にメンション→ コメント → Resolve
4. マージ時に自動スクリーンショットテスト（Chromatic for Figma）が走り、UI 崩れを自動検知

ステップ 4｜Dev Mode と Token Export で「ピクセル誤差ゼロ」

機能	開発者メリット
Variables → Tailwind Token	色・余白・タイポをワンクリック出力
CSS／React／Vue Snippet	コンポーネント単位のコード雛形を生成
ラベル同期	alt 属性／ARIA ラベルをコピーと連携
Versioned Assets	Hero 画像ごとにファイル ID 付与＝CDN キャッシュ管理が容易

実践例
開発者は Dev Mode のショートカット D → ⌥⌘C でコピー → VS Code の cmd+V だけで
<Button variant="primary" size="lg">30 秒で無料診断</Button> が自動挿入。実装速度が 25 % 向上。

ステップ 5｜QA／アクセシビリティチェックも Figma 上で完結

• Contrast Plugin：変数変更後に AA／AAA をリアルタイム再計算
• Keyboard Map：タブオーダーを線で可視化し、フォーカス迷子を検知
• Content Reel：長文ダミーデータを流し込み、折り返し崩れを早期発見

ステップ 6｜プレゼンテーションモードで役員決裁を一撃クリア

1. Prototype Flow でストーリーボード順にリンクを設定
2. Observation Mode で役員の画面操作を同期共有（対面でもオンラインでも有効）
3. コメントで承認スタンプを押してもらえば議事録不要

ステップ 7｜リリース後の改善サイクルを設計に組み込む

データ連携	役割	Figma 側操作
GA4 Click Heatmap (Plugin)	CTA クリック分布	ヒートレイヤーをオーバーレイ表示
Scroll-Depth CSV Import	離脱エリア可視化	セクション枠が赤→改善優先度高
Microsoft Clarity Session リプレイ	UX 問題発掘	コメントでタイムスタンプ共有

改善フロー

1. FigJam に “データ付き付箋” を貼りボトルネック議論
2. ワイヤーブランチを切り、Variables と Component で修正
3. AB テスト対象を Variant Property にタグ付けし、公開後 GA4 イベントに自動連携

ステップ 8｜ナレッジベース化して“属人化ゼロ”へ

• Team Library：LP 汎用セクション（ヒローヘッダー／レビュー／FAQ）を共有
• Design System Analytics：使われていないコンポーネントを棚卸し
• FigJam 学習マップ：新人オンボーディング用に全工程を可視化

実践ケース：制作 6 人チームでリード獲得数 1.8 倍

指標	Figma 導入前	導入後	変化
LP 完成サイクル	平均 21 日	12 日	−43 %
社内レビュー往復	7 周	3 周	−57 %
コード差分バグ	24 件／LP	4 件／LP	−83 %
リード数	7,800／月	14,200／月	+82 %

要因分析

• ブランチ比較でコピー＋デザイン両面の差分が即共有でき、修正ループが短縮
• Dev Mode＋Design Token により実装ズレが激減
• Post-launch データがファイルに重畳され、改善ネタ出しが高速化

よくある質問（FAQ）

Q1. Figma ファイルが巨大化しませんか？
A. Variables と Component Set を徹底すれば 100 ページでも 20 MB 程度。バージョンが膨らむ場合は Branch Archive 機能で履歴を圧縮できます。

Q2. ノンデザイナーが触ると崩れませんか？
A. “編集権限なし・コメントのみ” で運用し、コピー更新は Content Variables で CSV インポートに限定すると安全です。

Q3. GitHub とどう棲み分けますか？
A. UI は Figma ブランチ、ロジックは Git ブランチ。Dev Mode で PR 番号をコンポーネントにバッジ表示 するとリンク切れを防げます。

まとめ：Figma 中心ワークフローが LP 制作を“秒で回る”組織に変える

1. FigJam で企画〜KPI 設計 を 1 ファイルにまとめ、関係者を同じテーブルへ
2. Variables×Auto Layout で量産・改訂を変数駆動に
3. Branch→Review→Merge を標準化し、差分を可視化 してストレスレス承認
4. Dev Mode＋Token Export で“実装ズレ”を根絶
5. データ→改善→AB をデザインファイルにオーバーレイし、持続的なグロースへ

Figma は“デザインツール”から“組織の頭脳”へ進化しました。
今日から貴社の LP 制作フローに組み込み、「レビューが終わらない」
「実装とズレた」——そんな悩みを過去のものにしてください。