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2025.8.11
ROASが3倍に伸びたA社と落ち込んだB社––何が違ったのか?

はじめに:ROASとは?
ROAS(Return On Advertising Spend)は、
広告費に対してどれだけの売上を得られたかを示す指標です。
計算式は以下の通り。
ROAS(%)= 売上 ÷ 広告費 × 100
たとえば、広告費が100万円で売上が400万円なら、ROASは400%になります。
一般的には、100%を超えれば広告費を回収できている状態ですが、
利益を確保するには業種・商材によってより高いROASが求められます。
事例紹介
今回のテーマは、ほぼ同じ予算規模・広告媒体を使いながら、
- A社:ROASが3倍(200% → 600%)に成長
- B社:ROASが半減(200% → 90%)に低下
という対照的な結果になった2社の比較です。
A社の成功要因
明確なKPI設計と目的の共有
A社は広告配信を始める前に、
「売上最大化」ではなく「LTVの高い顧客の獲得」を目的に設定しました。
そのため、単純なクリック単価(CPC)の低さやCV数だけに惑わされず、
将来の収益を見据えて広告ターゲティングを行いました。
- KPI例:
- 新規顧客の初回購入単価:5,000円以上
- 90日以内のリピート率:40%以上
- ROAS目標:300%
ターゲティングの精緻化
過去の顧客データから「購入単価が高く、リピート率も高い層」を分析し、
広告プラットフォームの類似オーディエンス機能を活用。
結果、無駄な配信が減り、広告のクリック率(CTR)が1.5倍、
コンバージョン率(CVR)が1.8倍に改善しました。
クリエイティブのABテスト
A社は1つの広告を長期間使い続けることを避け、2週間ごとに新しいクリエイティブをテストしました。
特に動画広告では、冒頭3秒でユーザーの課題を提示し、
最後に解決策として商品を提示する構成が高い成果を生みました。
B社の失敗要因
指標の一部だけを追った運用
B社は「CV数を最大化」だけをKPIに設定。結果として、
低単価商品を大量に売る広告運用に偏り、利益率が低下しました。
例
- 低価格帯(1,000円以下)の商品ばかりが売れる
- 高利益商品はほとんど動かない
- 平均客単価が下がり、ROASも低下
ターゲット設定の曖昧さ
B社は広告配信のターゲットを広げすぎ、見込みの低い層にも広告を出し続けました。
結果、CTRは低下、クリック単価が上昇し、
広告費の30%以上がコンバージョンにつながらない層に消費されました。
クリエイティブの更新頻度不足
B社は同じ広告素材を3か月以上使い続け、広告疲れ(Ad Fatigue)が発生。
クリック率が落ちても改善策を打たず、配信効率が悪化しました。
A社とB社の比較表
項目 | A社(成功) | B社(失敗) |
---|---|---|
KPI設計 | LTV重視・利益率考慮 | CV数のみ重視 |
ターゲティング | 高LTV顧客層を精緻化 | 広く曖昧 |
クリエイティブ更新 | 2週間ごとABテスト | 3か月以上固定 |
ROAS | 200% → 600% | 200% → 90% |
ROASを改善するための実践ステップ
ステップ1:目的に合ったKPI設計
- CV数だけでなく客単価・LTVも含める
- 利益率が低い顧客獲得を避ける
ステップ2:データ分析でターゲット精緻化
- 顧客の購入履歴・利用頻度を分析
- 高利益・高リピート層の特徴を抽出
ステップ3:広告クリエイティブの定期更新
- 2週間~1か月単位でABテスト
- CTR・CVR・CPAの推移を比較
ステップ4:配信チャネルの最適化
- ROASが低い媒体やセグメントは配信停止
- 成果が高い配信先に予算を再配分
まとめ
ROASを伸ばすためには、「どの顧客を取るか」と「どのメッセージを届けるか」の両軸が重要です。
A社のようにLTVを意識し、継続的なテストと改善を行えば、
限られた広告費でも成果を大きく伸ばすことが可能です。