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2025.8.8
KPIツリーで可視化するマーケ戦略:上司も納得する目標設計法

はじめに:なぜKPIツリーが必要なのか
マーケティング戦略を立案するとき、「成果をどう測るか」が曖昧なまま進めてしまうと、途中で方向性がブレたり、チーム間の認識がズレたりします。
特に、上司や経営層へ説明するときに「なんとなく良くなっている気がする」という感覚的な報告では、承認や追加予算は得られません。
そこで有効なのが KPIツリー(KPI Tree) です。
KPIツリーとは、最上位の目標(KGI)から関連する中間指標や施策レベルのKPIをツリー状に分解し、「何が成果にどうつながっているか」を可視化するフレームワーク です。
KPIツリーの基本構造
KPIツリーは一般的に以下の3階層で構成されます。
① KGI(最終ゴール)
- 企業や部門の最終的な成果目標
- 例)年間売上10億円、契約数1,000件、LTV平均3万円
② KPI(重要業績評価指標)
- KGI達成のための主要な進捗指標
- 例)新規顧客獲得数、CVR(コンバージョン率)、月間リード数
③ サブKPI・施策レベル指標
- 各KPIを改善するための細分化された指標
- 例)広告クリック率(CTR)、メール開封率、サイト滞在時間、資料DL数
イメージ図
matlabコピーするKGI(年間売上10億円)
├── 新規契約数(年間1,000件)
│ ├── LPコンバージョン率(5%)
│ └── LP訪問者数(月間20,000人)
└── 平均LTV(3万円)
├── 月間購入回数(平均2回)
└── 継続率(80%以上)
KPIツリーを使うメリット
目標の因果関係が明確になる
「どの数字を伸ばせば最終成果に直結するのか」が一目でわかるため、優先順位をつけやすくなります。
チーム全体の認識統一
マーケ、営業、カスタマーサポートなど複数部署が関わる場合でも、同じ指標を基準に動けます。
上司や経営層に納得感を与えられる
数字の裏付けがあるため、報告や提案時に説得力が増します。
KPIツリーの作り方:5ステップ
ステップ1:KGIを明確にする
- 売上、利益、契約数、ブランド認知度など、最終的に到達したい成果を定義
- SMART原則(Specific / Measurable / Achievable / Relevant / Time-bound)に沿って設定
例
「2025年度末までに売上を前年比20%アップ、年間12億円にする」
ステップ2:KPIを抽出する
- KGIを達成するために必要な主要要素を洗い出す
- 「売上=客単価 × 購入回数 × 顧客数」という基本式を活用すると分解しやすい
例
売上を伸ばすには…
- 新規顧客を増やす
- 既存顧客の購入回数を増やす
- 平均購入単価を上げる
ステップ3:サブKPIに分解する
- 各KPIをさらに分解し、具体的な施策に直結する指標に落とし込む
- 広告、SEO、メール施策などチャネル別に分けると管理しやすい
例(新規顧客数増加のためのサブKPI)
- LP訪問者数
- LPコンバージョン率(CVR)
- 広告クリック率(CTR)
ステップ4:数値目標を設定する
- 過去実績や業界ベンチマークを参考に目標値を決定
- 「現状の数値」→「目標数値」→「必要改善幅」を明確にする
ステップ5:可視化ツールで管理する
- Excel、Googleスプレッドシート、Notion、BIツール(Tableau、Looker Studio)などでKPIツリーを見える化
- 月次・週次で更新し、進捗をモニタリング
成功事例:KPIツリーで成果を出したケース
事例1:BtoB SaaS企業
- 課題:新規契約数は増えているが、売上が伸び悩む
- KPIツリー分析:既存顧客の解約率が高いことが判明
- 施策:オンボーディングプロセス改善、CSチーム強化
- 結果:継続率70%→85%、LTVが30%向上し売上拡大
事例2:ECサイト
- 課題:広告費を増やしても利益が伸びない
- KPIツリー分析:平均購入単価が低く、利益率を圧迫
- 施策:セット販売、アップセル導線改善
- 結果:平均購入単価が15%アップし、広告ROI改善
KPIツリー設計時の注意点
- 指標の数を増やしすぎない
→ 追うべきKPIは多くても5〜7項目程度に絞る - 因果関係を必ず確認する
→ 直接KGIに影響しない数値は除外 - 短期・中期・長期でのバランス
→ すぐ改善できる指標と、時間がかかる指標をバランスよく設定 - 定期的に見直す
→ 市場や戦略の変化に応じてKPI構造をアップデート
まとめ
KPIツリーは「戦略を数字で可視化する地図」です。
これを活用することで、
- ゴールまでの道筋が明確になる
- チームの動きが揃う
- 上司・経営層への説明がしやすくなる
マーケ戦略を机上の空論で終わらせないために、
ぜひ次回の施策立案からKPIツリーを導入してみてください。